秋田プライウッドでは、自然の森林資源である木材を大切に使うために、丸太から剥ぎ取った「木の皮(バーク)」や製品の形を整える時などに発生する「切れ端」、家の解体時などに出る「廃木材」を捨てずに、工場の中にある発電所に集めて燃やし、その蒸気と電力を工場内で使っています。
また、単板加工する時に中心部分に残る「むき芯(しん)」は、細かく砕いてから板のように加工する木質ボードをつくるための原料として使用したり、紙を作るための原料としてそれぞれの工場に送ったり、あるいは短くカットしてガーデニングに使ったりしています。
当社をはじめとしたセイホクグループが強く推進している木材の300%利用、「木材を第一に合板などの原料化、第二にリサイクル利用の原料化、最終的にバイオマス利用によるエネルギー化」という「木材のカスケード利用」を進めることは、大気中の二酸化炭素をさらに長期間にわたって固定化することができ、地球温暖化防止に大きく貢献することが可能です。
木質バイオマス発電
秋田プライウッド向浜工場にある発電所では、24時間体制で、バークや木の切れはし、廃木材などを燃やして発電が行われています。電力は工場内の機械などを動かすために使われているほか、蒸気は合板を乾かすドライヤーや、合板をくっつけるホットプレスなどの機械にも利用されていて、工場内の電力の70%をまかなっています。
バイオマス発電のメリット
木質バイオマス発電に利用される木材は、石油などの限りがある「化石燃料」と違って、「植えて・育てて・収穫できる」持続可能なエネルギー源です。
また木質バイオマス発電は、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出量をトータルとして増加させることなく発電できると考えられています。木材を燃やすときには「CO2」が排出されますが、この「CO2」というのは、もともと大気中にあったものから木が生長する時に吸収されたものなのです。よって、木材を燃やしても全体としてみれば大気中の「CO2」を増やしていることにはならないのです。これを「カーボン・ニュートラル(※)」といい、化石燃料を使用した場合に比べて、環境の面で大きなアドバンテージとなっているのです。
「カーボン」とは炭素、「ニュートラル」とは中立、という意味。 光合成によって木が大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素(O2)を吐き出すことで、炭素(C)が木の中に固定されます。 その後その木が燃やされる時には、木の中に固定されていた「C」が大気中の「O2」と一緒になり「CO2」となって排出されるため、『光合成により吸収されるCO2』と『燃やして排出されるCO2』は同じ量であると考えられます。