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間伐材って?
間伐材かんばつざいとは・・・

 「間伐」とは、木の生長でこみあった森林から、弱ったり曲がったりしている生長の悪い木などを切って、木と木の間を空けて土の栄養や日光が森林にいきわたるようにする作業のことです。間伐をすると、残された木が太く元気に育つようになり、森林全体が元気になって、地球温暖化の原因にもなっている二酸化炭素をたっぷり吸収してくれるようになります。

間伐のしくみと木が育つサイクル
トラックから降ろす様子
秋田プライウッドに運ばれてきた秋田杉などの間伐材
秋田プライウッドに運ばれてきた秋田杉などの間伐材

どうしていま間伐材かんばつざい注目ちゅうもくされているの?

ラワン材

 1980年代まで、国内で作られる合板の原料となる木は、「ラワン」と言われる熱帯産の広葉樹が大部分を占めていました。主な輸入先(伐採地)は、フィリピン・マレーシア・インドネシアなどでしたが、過剰伐採で森林が減少してしまい、森に住む動物たちにもたくさんの被害がでるようになりました。熱帯産広葉樹の森林は、一度破壊してしまうと再生することができません。

ロシアカラマツ

 1990年代に入ると、合板の原料を「再生可能な樹種である針葉樹に転換しよう!」という研究が進んできました。研究と開発を進めるにつれ、従来のラワン材を使った合板と比べても、強さや耐久性といった性能では全く引けを取らない合板が完成しました。主に使われていた木は、ロシアから輸入されるカラマツでした。

国産材・間伐材

 そして近年、資源の循環が可能である「日本国内の豊富な森林資源」が注目されるようになってきました。長い間、日本の山林は、必要な手入れが行われずに放置され、荒れた状態が続いてきました。間伐材は、「細かったり曲がったり」しているため、今まで使われる用途が限定されていたためです。しかし、合板の原料として使えるように研究開発が進み、間伐材も有効な資源として積極的に活用されるようになりました。
 秋田プライウッドでは、「アキプラの森」から運ばれる秋田杉の間伐材を始め、北海道や東北各地からたくさんの間伐材を受け入れています。「植える・育てる・収穫する」という資源が循環する社会を作り、日本の森林が元気になるようにがんばっています。

間伐のしくみと木が育つサイクル

いままで間伐材かんばつざいはどうなっていたの?

二酸化炭素排出のイラスト

 間伐する費用、山から運んでくる費用、間伐材を利用するためには、たくさんの費用がかかります。また、間伐材を加工したり、製品に利用する技術などがあまり開発されていなかったため、間伐作業をしなかったり、間伐をした後の木をそのまま山に置いておくことが多くありました。こうしたことは、森林が荒れて、二酸化炭素(CO2)を排出することにもつながってしまいます。

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間伐材かんばつざい使 つか った合板ごうはんづくりの工夫くふう

 間伐材は、直径が小さかったり、曲がっているものが多いことなどから加工がむずかしく、使い道が限られていました。秋田プライウッドでは、間伐材に合った機械を開発したり、新技術で間伐材を使った合板づくりに取り組んでいます。
 また、山から間伐材を運ぶために、行政や森林組合、素材生産業者などと協力をしています。

間伐材かんばつざい使 つか った合板ごうはんづくりのために改良かいりょうした機械きかい

ロータリーレース
ロータリーレース
木をくるくる回して削って板状にする機械。直径の小さい間伐材でも、なるべく中心近くまでけずれるように改良されました。
ドライヤー
ドライヤー
蒸してやわらかくしてから板状にした木を乾かす機械。秋田杉などの間伐材は比較的水分量が多いので、ロシア産のカラマツなどに比べてかわかす時間が長くかかっていました。そこで、エネルギー効率のよい機械が開発されました。

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地球環境 ちきゅうかんきょう まも るためにできること 〜もっと使 つか おう!〜
-6%

 1997年に開かれた、地球温暖化について話し合う会議でとりきめられた「京都議定書」では、2012年までに日本の温室効果ガスの排出量を1990年の水準より6%減らすことが決められました。そのうち3.8%は、森林による二酸化炭素(CO2)の吸収でまかなうことが目標になっています。
 そのためには手入れが行き届いていない森林を整備して元気にしなければなりません。「国産材をあまり使用しない → 山が手入れされず荒れてしまう → 森に元気が無くCO2をたっぷり吸収できない」という悪いサイクルから脱しなければ、京都議定書で求められている目標を達成することはできないのです。

づかい運動うんどうって?

サンキューグリーンマーク

国産材を使った製品などに使われる
サンキューグリーンマーク

 「国産材、使って減らそうCO2」を合い言葉に「木づかい運動」という取り組みが始まっています。暮らしの中に国産材を積極的に使うことによって、森林を元気にしていこうという「エコ活動」です。「国産材をたくさん使用する → 山が手入れされる → 元気な森が育ちCO2をたっぷり吸収する」という良いサイクルを作り出すことは、とても大切なことなのです。

※木づかい運動についてくわしくはこちら

木づかい運動の感謝状

木づかい運動の感謝状

 秋田プライウッドは、平成19年2月、「平成18年度 木づかい運動 農林水産大臣感謝状」を受賞しました。国産材をたくさん利用して「木づかい」を実行し、国産材を利用する良さについてみんなに伝えることに貢献している、と認められた会社や団体に贈られる感謝状です。秋田プライウッドでは、平成13年から秋田杉などの国産の間伐材等を使った合板づくりを始め、今では材料の半分以上に国産材を使うまでになっています。
 「新技術で日本の森を元気にしたい・・・」秋田プライウッドの取り組みが、京都議定書の達成に少しでも貢献できれば、と社員一同、毎日の仕事を頑張っています。

※受賞についてくわしくはこちら

仕事イメージ

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