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秋田林業女性研究会レポートVol.5 〜「東北の林業再生は女子力で」〜

 平成28年3月26日、「東北の林業再生は女子力で」と題したフォーラムが秋田県民会館で開かれ、70名ほどの参加者がありました。この中で、いわて林業女子会と私たち秋田プライウッドの女性社員も会員として活動している秋田林業女性研究会のメンバー計4名がパネリストとして招かれ、ディスカッションが行われました。





 

 はじめに、秋田県農林水産部の橘 政行 森林技監から秋田県林業の現況と課題について様々なデータを基に説明して頂きました。橘 森林技監は、「このまま秋田県のスギ林を伐採していくと、30年後くらいからスギ人工林の資源量は減ってしまうので、伐ったら植えるという再造林率を上げなければならない。その為にも、若者を含めた雇用の拡大が必要」と、林業従事者の雇用について意見を述べられました。

 次に、岩手県議会議員で、いわて林業女子会の発起人でもある吉田敬子議員からも講演を頂きました。結成約1年半のいわて林業女子会は「楽しくやること」をモットーに、林業を知らない人たちにも知ってもらいたいという思いで活動をしているそうです。また、吉田議員は「林業への印象が明るくなるように」と、鮮やかな服飾を身に付けたり、女性らしいピンク色のヘルメットを製作したり、その他イベントについても紹介して下さいました。

 続いて、パネルディスカッションが行われました。ディスカッションのテーマは、「女子だから出来ることとは」、「10年後の林業について」などでした。

泉館 菜月 氏(いわて林業女子会)

 「野生生物の問題を解決したいという思いで大学に入学したところ、野生生物の問題の解決には、野生生物が棲む森林の問題を何とかしなければならないことに気付かされました。現在は森林現場での作業はしていませんが、子供たちの体験学習を担当させてもらう中で、子供への対応や指導には女性職員の方が適しているのではないかと感じています。」

 「私は、北秋田市森吉林業研究会員の中でただ一人、女性会員として活動しています。代々続けてきた里山を次の世代に残すには、どのようにすれば良いかを日々考えています。その一つとして、私が所有している里山を一般の方に開放するなどの活動を行っています。
 年に数回、山をまわりますが、やはり、木を伐るだけではなく、これからは木を増やす・太くすることが大事だと感じています。」

佐藤 篤子 氏(秋田林業女性研究会)

手塚 さや香 氏(いわて林業女子会)

 「現在、釜石地方森林組合で働いています。そこで、女性が伐採したあとの山がきれいだという話を聞いたことがあります。女性ならではの視点で、林業以外のセンスを林業に取り入れられたら良いと思います。釜石のロゴが入った商品が県外に出ていくことで、手にした人は釜石を身近に感じてくれます。10年後、『この木で作ったものでなくてはならない』と言われるよう、切磋琢磨していきたいと思います。」

 「環境問題について学ぶため大学へ進学した後、現在は秋田県森林組合連合会で働いています。女性が現場に入ることで、作業の効率が上がるのではないでしょうか。10年前には思いもつかなかったモノが、10年後には身近に使われていたりする。今もすでに新素材が出てきているが、10年後には、もっと素晴らしい新素材が出ているといいなと思います。そして、林業がもっと身近な職業になっていると嬉しいです。」

池田 史子 氏(秋田林業女性研究会)

 このフォーラムは、林業をやりたい若者や林業で活躍している女性の存在を知る良い機会でした。また、岩手の林業についてもお話を聞くことができました。林業といっても地域ごとに様々ではありますが、林業に対する思いや視点にそれほど違いはないようです。

 当社は、今回のパネリストの方々のように、様々な視点から林業についての意見を発信していくことで、林業への認知度や関心がより高まっていくことを期待しています。そして、女性の林業参加が一般的となる未来へ向けて邁進する女性たちを、今後とも応援して参ります。

 

■関連リンク
 ・秋田林業女性研究会レポートvol.4
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 ・秋田の女性が林業を元気に!〜第2回、第3回スキルアップ研修会の開催〜
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