2019年1月25日、グランドプリンスホテル新高輪を会場にナイス株式会社が主催する「平成31年 新春経済講演会」が開催されました。住宅業界の各企業から代表者が集い、4月に終わりを迎える平成の時代を振り返るとともに、次の新しい時代へ向けた展望や各社の事業方針を発表しました。

「平成時代の終えん、新たな時代の展望」をテーマにした特別パネルディスカッションでは、当社の代表取締役社長であり、セイホク株式会社代表取締役社長でもある井上篤博社長もパネリストとして登壇しました。住宅業界の今後や各企業の方針が聞けるとあって、講演会には住宅業界関係者をはじめとする1,711名もの方々が参加しました。


平成の時代を表すキーワードについて尋ねられ、井上篤博社長は「再生」と表現しました。米ソ冷戦の終結や東西ドイツの統一など戦後体制が解体され、世界的に再構築されることとなった平成の時代。また、日本においては阪神・淡路大震災や東日本大震災など大きな自然災害に幾度も見舞われましたが、そこから何度も立ち上がり次世代へ向けてひたむきな努力を惜しまない日本の姿を表し「再生」をキーワードとして挙げました。
日本経済の展望については、消費税増税やFIT制度など国民負担の増加を気にかけるとともに、2020年の東京オリンピックと2025年の大阪万博が2つの世界的イベントとして都市開発を加速させてくれる契機になるのではと期待を寄せました。当社は日本最大の合板メーカーとしてお客様に選んでいただける製品づくりに精励し、微力ながら日本経済の発展に貢献していきたいと考えております。
当社を含めセイホクグループでは「地球環境の保護と住環境の充実」をコーポレートミッションとして掲げ、国産木材を製品化して使用した後にもパーティクルボードや木材チップ、バイオマス発電などに使うカスケード利用を推進することで長期的な炭素の固定化に取り組んでおります。1本の木を300%活用し、快適な住環境を提供しながら資源循環型社会を次世代へとつないでまいります。

木材は吸収した炭素を固定化して成長し、伐採されて製品となり最終的に燃料として利用されるまで炭素を排出しません。しかも、燃やしたときに排出される二酸化炭素は成長時に取り込んだ炭素と同等であるため、化石燃料などと異なり大気中の二酸化炭素の増加を抑えることができます。そのため、木材はカーボンニュートラルな資源として世界的に注目されています。

木材を利用した建物は炭素を貯蔵してくれることから、住宅分野に限らず非住宅分野でも木造化を推進することで都市の中に「もう一つの森林」をつくることが可能になります。当社は国産材合板を活かした安全で心地良い住環境を提供できるよう製品の品質向上に努めるとともに、都市にもう一つの森林をつくることで地球環境の保護に貢献していきたいと考えております。