東北森林管理局の若手職員が向浜工場で研修を行いました

 2020年1月16日(木)、令和元年度のフォレスター育成研修(基本)として、東北森林管理局の若手職員など19名が当社の向浜工場で研修を行い、東北森林管理局のスタッフ12名も一緒に工場見学に参加しました。
 フォレスター(森林総合監理士)は、森林・林業に関する専門的かつ高度な知識及び技術ならびに現場経験を有し、長期的・広域的な視点に立って地域の森林づくりや市町村等への技術的支援を的確に実施することができる人材と位置づけられています。今後の林業・木材産業の成長産業化を図る上で、適切な森林の整備・保全による森林の有する多面的機能の持続的発揮と、需要者ニーズに対応した国産材の安定供給に向けて若手の森林・林業の牽引者(リーダー)の育成が必要とされています。

当社向浜工場で「フォレスター育成研修」に参加した研修生
及び東北森林管理局のスタッフ

 東北森林管理局の業務は、森林環境や国土の保全、地球温暖化防止、生物多様性の保全など多岐にわたり、東北地方の森林の約4割を占める国有林約165万ha(東京ドームの面積約3万5千個分)を、東北森林管理局および、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県の18箇所の森林管理署と6箇所の支署が管理経営にあたっています。東北森林管理局や各森林管理署では、木材利用の推進のため庁舎や宿舎を木造にしたり、治山・林道工事にも間伐材等を使用し有効活用しています。
 今回のフォレスター育成研修では、採用10年程度の若手職員を対象に3日間の研修日程が組まれ、持続可能な森林経営や路網整備、安定的な木材生産などについて学びます。こうした座学のほかに、森林から運ばれた原木が実際にどのように使われて製品が作られているかなど川中のことも学ぶため、当社の向浜工場と県内の製材工場やプレカット工場なども見学しました。

全層杉の製品について当社社員に質問する研修生とスタッフ
丸太をかつら剥きした単板や木皮からできたペレットに触れる研修生たち

 東北各地の森林管理署の現場で働く職員の多くは、合板工場の見学は初めてという方が多く、実際に工場を見学している際には完成品や半製品に触れながら、当社社員に多くの質問をするなど熱心に取り組みました。また製品化が難しい木材の端材などを熱やエネルギーとして余すことなく使用する当社の設備や取り組みにも興味津々な様子を窺うことができました。

 工場見学後の質疑応答では、原木の品質に関する質問が多く寄せられました。当社社員の仕入担当からは各質問への回答のほかに、国有林システム販売で当社が学んだ原木の取引における"信頼関係"の大切さについて説明をしました。国有林システム販売の開始から十余年が経過し、当社も国産材を積極的に活用していく中で、安定供給・安定購入・安定価格など川上との信頼関係の構築の大切さを学んだことをお伝えしました。今後の林業の成長産業化へ向けて、産学官で連携してお互いのニーズや考え方を共有することは、それぞれの業務の見直しや生産性向上に繋がると考えられます。

工場見学後の質疑応答、原木の品質について質問が集中

 当社では秋田県産材を始めとする国産材を積極的に活用し、あらゆるところに(A)国産(K)合板(G)を利用し、木材自給率50%以上達成を実現するために「AKG50作戦」を展開しています。また苗木生産事業と素材生産事業、間伐材などの地域森林資源を有効活用により、「植える→育てる→収穫する→使う」の森林の循環のサイクルを実践し、地球環境の保護と日本の森林の再生に取り組んで参ります。そして林業に携わる若手が増え、林業・木材業界が盛り上がるような社会貢献活動を続けていきたいと考えています。

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