良種苗の生産・供給のため事業を行う秋田県山林種苗協同組合は令和4(2022)年度に設立100周年を迎え、組合では「100周年委員会」が組織され記念誌の発行や行事等が行われます。100周年記念誌の発行にあたり若手組合員の有志による記念座談会が開催され、当社森林事業部から佐々木聖香と後藤美森の2名が参加依頼をいただき光栄にもお話する機会をいただきました。
「100年のあゆみ」としての記念誌に残る中で当社の森林事業部や育苗事業の取組みを紹介するとともに、今後の目標などについて思いを述べました。

秋田県山林種苗協同組合は主に優れた苗木の安定供給のため、品評会や研修会などを実施して生産者間の交流を図り、組合員の技術の向上のため活動を行っています。大正11(1922)年に「秋田県樹苗同業組合」としてスタートし、何度かの名称変更を経て昭和24(1949)年から現在の名称となりました。設立時はおよそ150人、昭和40年代には500人まで達しましたが、現在では24人となっています。
今回の座談会では未来の組合を担う県内の若手組合員7名が参加し、「山林種苗協同組合の明日を語る」と題して意見が交わされました。会社の概要や苗木生産の仕事に就いたきっかけ、将来に向けての目標などについて質問を受けて答えました。

佐々木聖香は学生の頃から林業に興味があり秋田林業大学校の第一期生として修了。その後当社森林事業部に配属され、平成31(2019)年4月の苗木生産(コンテナ苗)の開始当初から携わってきました。播種(種まき)作業や水や温度の管理など品質や生産量の向上に取り組んでいます。
今後に向けては、実際の山林現場を体験し作業に多くのコストや人手がかかることを感じたことから、高性能林業機械を活用して主伐や


※写真撮影のためマスクを外しています
後藤美森は環境問題に興味があり大学卒業後に当社森林事業部に配属され、計画的な間伐や主伐、植林を行い持続可能な森林経営を実践し、国内の森林保全、地球環境の保護に貢献する森林環境事業に携わっています。また佐々木とともに苗木生産に取り組んでいます。
今後に向けては、伐るだけでも植えるだけでも良くないとして、「伐って、使って、植えて、育てる」という循環的な森林利用をこれからもどんどん進めていきたいと話しました。作業効率にもふれ、効率が上がってくれば従事者の数も増えていくのではないかと今後の林業への期待と課題も述べました。


※写真撮影のためマスクを外しています
日本の森林面積のうち人工林は約4割に相当する1,020万haとなっており、戦後に造林されたものが多く、その半数が50年生を超えて利用期を迎えた森林が増加しています。本格的な利用期を迎えた森林資源を活かすため今後主伐の増加が見込まれており、主伐後の再造林により森林の多面的機能を持続的に発揮させつつ森林資源の循環利用を推進することが求められています。再造林を行うにあたっては苗木の安定的な供給が重要となっています。
2019年から開始した育苗事業ですがコンテナ苗の生産は年々増大し、着実に増産体制は整ってきています。苗木の安定供給と再造林の低コスト化に向けて優れた苗木の生産と安定供給ができるよう今後も改善等に取り組んでいきます。






昨年6月新たな「森林・林業基本計画」が策定され、森林を適正に管理し、林業・木材産業の持続性を高めながら成長発展させることで、2050年カーボンニュートラルも見据えた豊かな社会経済の実現を目指して森林・林業・木材産業による「グリーン成長」が掲げられています。
当社は森林事業をさらに拡大して、『植える、育てる、収穫する、上手に使う。そしてまた植える』という永遠の緑の循環を守り、林業・木材産業の持続性を高めながら成長させ、国土保全機能や地球温暖化防止機能などの森林の多面的機能による恩恵を享受できるよう貢献してまいります。
