さらなる増産に向けてコンテナ苗の播種(種まき)作業

 当社は高性能林業機械による原木の素材生産や計画的な植林・間伐を実施、国産材合板の製造まで一貫したビジネスモデルにより持続可能な森林経営を実践しています。2019年から育苗事業としてコンテナ苗の生産を開始し今年で4年目を迎えました。昨年秋にはハウス一棟を増設しさらなる増産に向けて設備や体制を整え森林事業の拡大を図っています。
 4月に入り、今年も向浜工場の苗木用ハウスでコンテナ苗の播種(種まき)作業が新入社員たちも加わり行われました。

 苗の土は育苗培土に水を混ぜてつくります。充分に混ぜあわせた土を樹脂製の多孔容器(マルチ・キャビティー・コンテナ)の40個ある孔にまんべんなく敷き詰めていきます。コンテナに土を充填した後、播種(種まき)の行程が行われるハウスへとコンテナを移動します。

 普通スギと少花粉スギの種まきが行われており各樹種ともに5粒の種をまきます。コンテナ孔に一粒ずつ丁寧にまいた後、通気性・保水性がともに高い鹿沼土を覆いかぶせます(覆土)。
 コンテナ苗は細長い形状のため効率的な植付け作業を行うことができ、苗も根付きやすく、植栽時に乾燥等にさらされにくく根が傷まないなどの特徴があります。また、温度や水分の管理が可能なハウスで生産することから、天候を影響を受けにくい、裸苗に比べて育成期間を短縮でき、台などにコンテナを載せて楽な姿勢で作業ができるなどのメリットもあります。

 発芽後は一定の背丈になったところでハウスの外で育てます。1年半ほど時間をかけて育て、背丈が35センチになったところで出荷適齢となります。ハウス一棟が増設された他、屋外における作業効率の向上を図るためハウス周辺を舗装、再造林をさらに推進するための対応策も実施しています。

舗装されたコンテナ苗の設置場所
苗に一定量の水を行きわたらせる給水
植えてから1年ほどが経過した苗
むき芯を活用した防風壁で苗木を海風から守る

 国土の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止、合板を始めとする木材加工品の供給等の森林の有する多面的機能が今後も十分に発揮されるためには森林の適切な更新と整備が必要になります。森林資源の持続的利用はSDGsの達成にも貢献することが可能となります。
 そのためには主伐後の適切な再造林が必要であり、造林の低コスト化と苗木の安定供給が重要になります。造林作業のコスト低減化を推進する苗木生産技術として、コンテナ苗の生産量は全国的に拡大しています。
 当社は森林事業をさらに拡大し森林整備を適切に行うとともに林業・木材産業を成長させ、地球環境の保護、地域への貢献を果たしてまいります。

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