1907年(明治40年)11月3日は浅野吉次郎氏が独自にロータリーレースを開発し初めて合板を製造したとされる日です。現在の合板産業の隆盛を築いた浅野氏の功績を称えるとともにさらなる合板利用の拡大を図り、環境に優しい合板の良さを知ってもらうことなどを目的に「合板の日」が2012年に制定され、今年で10度目を迎えました。

(日本合板工業組合連合会発行「合板100年史」より)
浅野氏のロータリーレースの発明で単板を製造できるようになり、単板を貼り合わせた合板が誕生しました。以来115年の歴史の中で先人たちの努力により、耐震性、耐火性、遮音性など建物の基本性能を向上させる合板が開発されていき、24mm厚、28mm厚の構造用合板「ネダノン」のようなシリーズが誕生するに至りました。いまや合板はその強度や耐久性により構造用、型枠用、フローリング材等など建築用材に欠かせないものになりました。
厚物合板を床や屋根に使うことで地震や台風などの災害に強い住宅となります。最近では30mm以上の超厚合板の開発も行われており、さらに耐震性や機密性が向上し中高層木造建築も可能になっています。




合板は環境に優しく地球温暖化防止に貢献する存在でもあります。合板を製造するために消費するエネルギーは、鋼材の38分の1、アルミニウムの160分の1と少ないエネルギーで作ることが可能です。また製造時の二酸化炭素の排出量は、鋼材の34分の1、アルミニウムの141分の1と合板はまさに環境にやさしい素材といえます。
また合板は炭素をストックしており、木造住宅(延べ床面積136m2)が貯蔵している炭素ストック量は平均して約6tにも及びます。また、RC造や鉄骨プレハブ住宅ではそれぞれの1.6tと1.5tと、木造の4分の1となっています。
合板をはじめとした木質建材を建築物に使用することは、大量の炭素を長期間にわたり固定することになるため地球温暖化の抑制に大いに貢献することになります。

出典:岡崎 他:炭素ストック、CO2放出の観点から見た木造住宅建設の評価、木材工業 53.161-165(1998)

出典:国土交通省建設経済局労働資材対策室:建設労働資材需要実態調査報告書 P.114-121(1990)

出典:国土交通省建設経済局労働資材対策室:建設労働資材需要 実態調査報告書 P.114-121(1990)
2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す中、森林が担う役割の重要性が高まっています。森林資源の循環はカーボンニュートラルはもちろん地球温暖化防止、持続可能な開発目標SDGsの達成にむけて大きく貢献できます。
当社の森林事業部でも苗木および原木の素材生産の能力向上を図り、計画的な植林・間伐等の実施から国産材合板の製造まで一貫させることで森林資源を持続的に活用する森林経営を実践してまいります。
2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す中、森林が担う役割の重要性が高まっています。森林資源の循環はカーボンニュートラルはもちろん地球温暖化防止、持続可能な開発目標SDGsの達成にむけて大きく貢献できます。
当社の森林事業部でも苗木および原木の素材生産の能力向上を図り、計画的な植林・間伐等の実施から国産材合板の製造まで一貫させることで森林資源を持続的に活用する森林経営を実践してまいります。


当社は「森林・林業基本計画」で策定された合板用材の国産材利用量年間700万立方メートルの目標を目指して「GO(合板)!700!」をキャッチフレーズに国産材の利用をさらに促進しています。また当社が製造する国産合板等の伐採木材製品「HWP(Harvested Wood Products)」の持つ炭素貯蔵力は脱炭素社会の実現に大きく貢献できます。
合板の日にあたり日本の合板産業の父である浅野氏に思いを馳せるとともに、国産材合板の積極的な利用によって林業・木材産業の成長を図り、地球環境の保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。