結成15周年記念シンポジウム「『日本の進む道』を示そう」開催

 日本の森林(もり)を次代に生かすための政策提言と、新しい「森の市民」を育成するオピニオン・リーダー集団として、2008年7月に「ケンモリ」(正式名称:NPO法人「日本に健全な森をつくり直す委員会」)は創設されました。養老孟司東京大学名誉教授を委員長として、趣旨に賛同した多くのリーダーが各界から集まって「委員」となり、講演、執筆、実践など様々な活動を展開しています。
 結成15周年を迎えたことを機に2023年9月10日、記念シンポジウム「『日本の進む道』を示そう」がモンベル品川店(東京都港区)で開催され、ケンモリの委員でもある当社社長の井上篤博が、セイホク株式会社代表取締役社長として出席し、本討論会の締めくくりとして閉会の挨拶をしました。

シンポジウムのチラシ

 シンポジウム当日会場には200名の参加者が集まり、その様子はZOOMによる配信も実施され、講演者、パネラーなど出演者20名の話に多くの方が耳を傾けました。
 養老孟司東京大学名誉教授からオープニングの挨拶が述べられてシンポジウムは開会。第1部「『環境変化』が世界を変える好機なのに!」、第2部「大地震が来るのに、日本は何をやっているのか」、第3部「地震の準備の中で、"森林を生かす国づくり"」と3部構成で進行され、気候変動による環境変化に伴う災害による被害、特に地震災害への対策や災害に対する森林の活用方法などついて意見や提言が出されました。

養老孟司委員長による開会の挨拶
尾池和夫氏(静岡県立大学学長、元京都大学総長)による
「地震学者からの警告」と題した貴重講演
カナダ・モントリオール開催され189か国が参加した
COP15(生物多様性条約第15回締結国会議)の報告をする
香坂玲氏(東京大学教授)

 シンポジウムを総括して井上社長が閉会挨拶に立ち、カーボンニュートラル実現を目指す中、大気中の炭素の吸収や炭素を固定化できる木材のマテリアル利用が最も重要であるとして、自然の森林資源の循環利用とともに都市部での木材利用の拡大や都市の木質化による長期間の炭素貯蔵効果を高める必要性があることを表しました。1300年前に創建された法隆寺の木造建築群や100年前の東京駅を始めとした丸の内開発で使用された数万本の松杭等の歴史的建造物を例に挙げながら、建造物としての魅力を持ちながら現在もなお炭素を貯蔵する優れた役割に言及しました。
 伐採木材製品「HWP(Harvested Wood Products)」の持つ炭素貯蔵力を最大限に生かして「様々な分野の方々とともに日本の進む道を示して参りたい」と述べました。

マテリアル利用とエネルギー利用の両立を追求する
カスケード利用(木材の300%活用)

 近年の気候変動に伴い山地災害が激甚化しており、災害に対して強い国土を作っていくことが求められています。森林を維持、再生する治山事業は山地災害から国民の生命・財産を守ることに寄与しています。
 当社はこれからも『植える、育てる、収穫する、上手に使う。そしてまた植える』という永遠の緑の循環を守り、森林の多面的機能を発揮させて日本の森林の再生、地球環境の保護に貢献してまいります。

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