農林中央金庫秋田支店は秋田県森林組合連合会と連携して、国産材の利用拡大に向けた取り組みの一環として学校など公共施設に木製品の寄贈活動を実施しています。
2024年3月、県産材で製作された遊具「ナマハゲパイレーツ」が完成し秋田市に寄贈されました。当社もメンバーである「ORAe(オラエ)アキタファニチャー」による設計・製作で、当社は秋田県産杉合板を提供しました。「ORAeアキタファニチャー」は秋田県の優秀な事業者や作り手が集まり、木に囲まれた豊かな暮らしを彩る多彩な木工製品を日本全国そして世界へ発信するプロジェクトです。

2024年3月14日に行われた寄贈式では農林中央金庫秋田支店の安田雄幸支店長より秋田市の鎌田潔副市長に目録が贈呈され、安田支店長からは木育活動や県産木材の利用促進を図りたい旨の挨拶がありました。
寄贈先となった道の駅あきた港ポートタワー・セリオンからは、施設内のキッズエリアに木製遊具を設置して欲しいという要望があり、歴史ある港町の遊具であることから「大航海、開拓者、探検、アドベンチャー、パイレーツ」などのキーワードや「帆船、デッキ、ロープ梯子、丸窓」などのモチーフでコンセプトを決めて設計、製作が進められました。
贈呈式後には早速子どもたちがすべり台を滑ったり、丸窓から抜け出したりと「ナマハゲパイレーツ」で元気いっぱいに遊ぶ様子が見られました。









秋田魁新報 2024年3月24日(日)掲載
3月27日~3月31日の5日間にわたって「ORAeアキタファニチャー展示販売会2024春」が秋田市文化創造館を会場に開かれ25事業者の参加によって、イスやテーブルの家具からカードケースなどの小物まで木の温もりが感じられるクオリティの高い木材製品が展示されました。秋田県家具工業会「第63回秋田県新作家具展」、東北森林管理局「まる高まる国秋田杉プロモーション × ORAe」の2件展示会も同時開催され、秋田のものづくりの技術力と多様性を実感できる機会となりました。
当社の合板を活用したテーブルは「The carbon stock table」と名付けられ「究極のカーボンストックテーブル」として参考出展されました。秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻、今中隆介教授によってデザインされたテーブルは、合板を規格サイズに成形するためにカットされる切れ端を並び揃えて天板が製作されており、木材資源を無駄なく活用した製品となっています。



今中教授が当社の工場を訪れた際、規格サイズにカットされる前の合板をご覧になってインスピレーションを受けこのテーブルをデザインしてくださいました。あえて天板の裏面をほとんど加工せずに使用することで、テーブルを裏から見た時に工場での製造工程を思い起こさせるねらいがあります。
このテーブルのコンセプトである「究極のカーボンストック」とは、「合板を製造して炭素を固定する」だけでなく、その過程で発生する、通常は燃料として利用される端材まで拾い上げて、ギリギリまで炭素を固定することで炭素貯蔵力の最大化を図るという意味が込められています。


最初は合板の切れ端がテーブルになるとは信じられない気持ちでいましたが、写真の通り、萩原製作所様の高い技術により制作されたテーブルは、展示会で他の素晴らしい木工製品と並べても全く遜色のない、見事な出来栄えでした。

当社は「GO(合板)!700!」をキャッチフレーズとして合板用材の国産材利用量年間700万立方メートルの目標を目指して国産材の利用をさらに促進しており、今後も「ORAeアキタファニチャー」のプロジェクトに積極的に参加して「ORAe」メンバーとのコラボレーションを通じて合板の活用を推進していきます。
日常生活における木材利用の拡大や木質化は炭素の貯蔵効果を高めることとなり、身の回りに木材製品が増えるほど地球温暖化防止に貢献することができます。



2050年カーボンニュートラルの実現、脱炭素社会の実現に向けて、当社の国産材合板をはじめとする伐採木材製品「HWP(Harvested Wood Products)」の持つ炭素貯蔵力を最大限に生かしていく必要性が高まっています。木材製品の利用拡大と森林資源の循環利用を両輪で進めることで地球環境の保護と持続可能な社会の実現を目指してまいります。