11月3日は「合板の日」~合板の新たな活用方法で利用拡大~

 合板の生みの親である故浅野吉次郎翁が1907(明治40)年にロータリーレースを開発し初めて合板を製造したことを記念して11月3日が「合板の日」に制定されています。
 2025年11月7日、2025年度の「合板の日」記念式典(主催:「合板の日」実行委員会・𠮷田繁会長)が新木場タワー(東京都江東区)の1階大ホールで開催され、合板メーカーや機械メーカー、商社、問屋などの業界関係者、林野庁や東京都等の関係官庁や関係団体など約200人が参加し、さらなる合板利用の拡大と合板業界の発展を期して気持ちを新たにしました。

節目を迎えた10回目の記念式典に多くの合板産業関係者が参集
浅野氏が開発したロータリーレース1号機(日本合板工業組合連合会発行「合板100年史」より)

 2013年から開催されている「合板の日」記念式典は、コロナ禍により中止を余儀なくされた年があったものの、今年で10回目を迎えました。合板産業の発展に功績のあった方に贈られる実行委員会感謝状の表彰は、山下晃功島根大学名誉教授が受賞しました。山下名誉教授は合板など木工を社会に紹介する活動のほか、木育や合板・木材に関連したイベントで業界の人材を育成するなど合板の普及に貢献されました。合板1枚で新たな発想の作品を創る「全国合板1枚・作品コンペ」の企画・立案をした一人でもあり、2010年の開始以来多くの作品の応募があり、合板の多様性ある使い方や知識を一般に広げる絶好の機会となっています。山下名誉教授への感謝状と副賞の贈呈では、当社社長の井上篤博が日本合板工業組合連合会会長としてプレゼンテーターを務めました。

 2050年カーボンニュートラルの達成のためには、建築物の木質化が不可欠な取り組みと位置付けられています。公共建築物における木質化や民間施設での木材活用に向けて、国や自治体も木材利用促進のための施策を進めています。木質製品は再生可能資源であり、鋼材やアルミニウムなどの資材と比べて加工に要するエネルギーが低く、長期間にわたり炭素を固定できる素材として環境的メリットの高い製品です。
 当社は建築物の木質化に向けて合板の新たな活用方法として「木口の積層面」を「魅せる」意匠性を高めた様々なデザインや製品【新コンセプト合板】を提案しています。「合板の新たな活かし方」を発信していくことで、さらなる国産材の利用推進と新たな市場の開拓による木材利用の拡大を目指しています。

ヘリンボーン柄で「魅せる」壁面デザイン
木口の縦横と奥行で「魅せる」壁面デザイン
合板板面・積層面で「魅せる」壁面デザイン
合板の端材を揃え積層面の意匠性を生かした「カーボンストックテーブル」
「超厚合板」を加工した洗面台
60mm厚の超厚合板で製作した当社のメビウスマーク

 【新コンセプト合板】は福祉施設・教育施設・住宅など様々な空間で木質化を実現し、木材利用の拡大に寄与します。木質製品として「持続可能性」はもちろん「創造性・独創性」を両立させて環境価値とデザイン価値を同時に高めることができます。
 当社は合板の日にあたり、日本の合板産業に多大な貢献を果たした故浅野吉次郎翁の功績を振り返りながら、今後も国産材合板の利用拡大を図り「持続可能な木材利用」に努め、地球環境の保護とサステナブルな社会の実現に向けて貢献して参ります。

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