11月3日は我が国初の合板が誕生した「合板の日」

 11月3日は故浅野吉次郎翁が1907(明治40)年に独自にロータリーレースを開発し、日本で初めて合板を製造したとされる日です。浅野氏に敬意を表すとともに、森林林業・合板機械・接着剤・物流など合板産業に関わるすべての業界が大きく発展することを祈念し、2012年「合板の日」が制定されました。
 今年で11年目を迎えた「合板の日」は4年ぶりに記念式典が執り行われ、今後のさらなる合板産業の発展を期して日本合板工業組合連合会や日本合板商業組合、合板業界の関係者、来賓が一堂に会しました。

浅野氏が開発したロータリーレース1号機
(日本合板工業組合連合会発行「合板100年史」より)

 令和5年度「合板の日」記念式典は2023年11月2日に新木場タワー(東京都江東区)の1階大ホールで開催されました。
 式典では林野庁長官表彰が行われ、「公益財団法人日本合板検査会」が受賞しました。合板をはじめとする木質部材の適切な検査・証明書発行や性能評価を通じたJAS制度の普及・発展に尽力したこと、また、高度な検査機能を活かした木材・木製品の各種試験の実施と木質材料の新しい加工方法や使用方法の開発への貢献などの功績が称えられました。
 同表彰では当社社長の井上篤博が実行委員会の委員としてプレゼンテーターを務め、受賞者代表の日本合板検査会 渕上和之理事長へ感謝状を贈呈しました。
 表彰後には、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所研究ディレクターである渋沢龍也氏が「超厚合板-実用化に向けた7つのキーワード」と題して記念講演を行いました。木材利用による炭素貯蔵が二酸化炭素削減に大きく貢献することについて触れられ、積極的に国産材を利用している合板は国内の木質資源利用のトップランナーとして期待されており、超厚合板を大型建築へ利用するための研究調査が進められている等を述べられました。

構造用合板「ネダノン」は日本合板工業組合連合会傘下の各社が共通した商品名で生産するJAS構造用合板です。耐震性、耐火性、遮音性など建物の基本性能を向上させる様々な製品シリーズが開発されてきました。厚物合板を床や屋根に使うことで耐震性に優れた地震や台風に強い強固な住宅となります。

 当社は「森林・林業基本計画」で策定された合板用材の国産材利用量年間700万立方メートル達成に向けてキャッチフレーズ「GO(合板)!700!」を掲げており、国産材の利用をさらに促進するため合板の活用方法を追求しています。選挙ポスター掲示板、スポーツチームの試合会場、大森山動物園の動物たちのハウスなど様々な用途で合板を活用してきました。
 当社が製造する国産材合板をはじめとする伐採木材製品「HWP(Harvested Wood Products)」の持つ炭素貯蔵力は脱炭素社会の実現に大きく貢献できます。

秋田県産杉合板を使用した
選挙ポスター掲示板
秋田ノーザンハピネッツブースターを支える
観客席への合板活用
秋田杉間伐材合板を利用した
エコステーション
合板とむき芯が使用された
大森山動物園絵タヌキのハウス
住宅への国産材合板の利用
当社食堂の広葉樹合板を
活用したテーブル

 2050年カーボンニュートラル実現を目指す中、森林が担う役割の重要性が高まっています。森林資源を循環させることでカーボンニュートラルはもちろん地球温暖化防止、SDGs達成にむけて大きく貢献できます。
 合板の日にあたり日本の合板産業の父である浅野吉次郎翁に思いを馳せるとともに、脱炭素社会や持続可能な社会に資する合板の良さを訴求しながら、さらなる国産材合板の利用拡大を図り、林業・木材産業を成長させ、地球環境の保護と持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。

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