「山の日」に山を思い、山に感謝

 日本人は古くから山に畏敬の念を抱き、森林の恵みに感謝し欠かせない存在として共に生きてきました。8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを目的として2016年から「山の日」として国民の祝日となりました。
 森林資源を循環させて事業を展開する当社にとって、山に対して感謝を表し、大切な財産であることを再認識して山と向きあう一日となります。

 人口減少や高齢化が急速に進む日本にあって、今後も継続的に森林を適切に整備・保全していくためには、林業の担い手確保が重要な課題となっています。
 この状況の中で、2021年6月に閣議決定された「森林・林業基本計画」では「グリーン成長」の実現に向け、再造林の推進や新技術の導入の推進、労働安全対策の強化などが掲げられました。さらに政府は「人への投資」を掲げ、2022年10月に「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づく基本方針が変更されました。
 新たな基本方針では造林やICT等の知識や技術、技能を持つ人材の確保・育成、高性能林業機械等の導入・開発の促進、女性の活躍・定着に向けた交流機会の創出なども文言とともに林業労働力の確保に関する方向性が示されました。

 当社は高性能林業機械による原木の素材生産や計画的な植林・間伐等の実施から国産材合板の製造までを一貫させることで、持続可能な森林経営を実践し適切な森林の整備・保全を行っています。
 また「秋田県林業女性会議」に当社森林事業部の女性社員2名が委員として選ばれており、今後林業における女性の活躍・定着に向け意見や提言を出していきます。
 一方、森林県である秋田県では50年生を超え利用期を迎えた森林が増加しており主伐と再造林の推進が必要となっています。秋田県森林組合連合会などの業界団体と事業者などの協力企業・団体は「あきた未来へつなぐ再造林基金」を創設し、森林所有者の費用負担を軽減させることで再造林を促進しています。当社はこの基金の取り組みに賛同し再造林に努めています。

秋田県林業女性会議の初会合
アキプラの森「秋の宮」で植栽作業
県再造林推進協議会からの感謝状

 これまで秋田県の再造林率は約3割前後で推移してきました。費用の問題に加え所有者の高齢化、後継者不足によって長期的な管理が難しくなっていることが原因となっています。2025年度までの再造林率50%を目指す中、中長期的に素材確保の体制を整えることができ、森林資源を適切に利用しながら事業を安定的に展開できる当社の役割が重要となっています。
 今後も苗木の生産および原木の素材生産の能力を向上させ森林事業の拡大を図り再造林の推進する体制を整えていきます。

 初期の秋田藩を支えた家老の渋江内膳政光しぶえないぜんまさみつは、「国の宝は山なり、(中略)山の衰えはすなわち国の衰えなり」として、秋田杉の保護と育成に尽力しました。今こそ地域材である秋田杉を使用することは、安定的な生産・供給を可能とし地域の雇用と林業を支えることができ、地球温暖化防止に貢献することができます。
 これからも山への畏敬の念を抱きながら感謝の気持ちを持ち続けて、さらなる国産材の活用を通じて森林資源を循環利用して地球環境の保護、地域の活性化に貢献してまいります。

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