林業・木材産業を共に盛り上げる~岩手県指導林家等研修会研修会~

 2024年11月22日、「令和6年度岩手県指導林家等研修会」(主催・岩手県林業技術センター)の視察研修が当社向浜工場で行われ、意見交換や工場見学を通じて当社の森林資源の循環利用による森林経営、木材利用の拡大に向けたの取り組みなどについて理解を深めていただきました。
 この研修は岩手県内で地域林業のリーダー的役割を担う指導林家、青年林業士、林業普及指導協力員、及び林業研究グループの資質向上を図るとともに、相互連携を密にすることで、今後の活動の活性化を図ることを目的として行われています。

 研修会の始めに、当社向浜工場厚生棟3階大会議室で木材利用による炭素固定化、森林事業部独立を通じた素材生産の強化などの当社の事業内容、単板やオリジナル鍋敷きを使った合板の魅力などの説明を行いました。
 岩手県は秋田県と同様に林業従事者が減少傾向にあり、林業経営体の育成、新規就業者及び担い手の確保が課題となっています。秋田県では「秋田県林業女性会議」が、将来的な林業従事者の確保と定着のため「全ての人が働きやすい職場環境の実現」を目指して、女性目線による現状分析や課題整理を行うなどの活動をしており、当社の森林環境事業を運営するエーピーフォーレの田口聖香と後藤美森が委員として名を連ねています。田口と後藤は自身の業務内容とともに、育苗ハウスや播種作業の状況などエーピーフォーレの事業内容を説明しました。

 また、合板の新たな活用方法を模索するための向浜工場厚生棟の木質化リノベーションの内容も紹介。ミーティングルームでは合板の木口を魅せた壁面や当社で生産販売するフローリング「コニファーエース」を実際にご覧いただき、合板の積層面で表現した「カーボンストックテーブル」や「曲木」の技術で作られたイスに注目が集まりました。
 階段では西北プライウッド製36㎜厚の「CLT」を採用した踏板(ステップ)は木口の年輪(中板部分)の向きが揃って見えるよう見栄えを意識した仕上げとしたことを伝えました。

 合板の製造工程の見学では、原木の貯木場から蒸煮室を通り工場内へと進みロータリーレースやドライヤー、単板自動選別機など各工程で製造上のポイントを説明しながら工場見学は進められました。林業ならではの視点からの質問もあり、寒さをふきとばす熱のこもった見学となりました。

 質疑応答では工場内で働く環境についてや、若者向けのリクルートの現状、原木利用の動向や高層建築物への木材利用に向けたアプローチなど様々な質問が寄せられました。
 少子高齢化や新設住宅着工戸数の減少などの課題があるものの、SDGsやカーボンニュートラルへの取組みなどの世界的な時代の流れとともに、「いかにして木材利用を拡大していくか」、「新しい需要をどうやって掘り起こしていくか」が大切であることをお話しし、足元では社員が気持ち良く生き生き働くことができる環境を整えることも重要であり、実際に当社でも具体的に取り組んでいることを説明しました。

 岩手県は秋田県の隣にあり、秋田県と同様に林業が盛んで、日本の林業・木材産業を共に盛り上げる仲間でもあります。今回の研修によって岩手県の指導林家等の皆さんに秋田県や当社の取り組みを深く理解いただき、林業・木材産業の成長化に向けた意識をさらに高めるものになれば幸いです。
 当社は今後も林業の担い手の確保・育成に注力し、森林資源を適切に存続させながら事業を安定的に展開して参ります。

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