当社は原木の素材生産や計画的な植林の実施、間伐や皆伐を通じて山林の管理を行い、また、国産材合板の製造までを一貫して行うビジネスモデルを確立するなど、持続可能な森林経営を総合的に実践しています。この一環として今年も4月に入り向浜工場の育苗ハウスでコンテナ苗の播種(種まき)作業が行われました。

2019年から始まった苗木生産は今年で7年目に入り、当社の森林環境事業を担うエーピーフォーレの社員が昨年より5万本多い目標生産量25万本を目指して作業を行います。年々着実に生産量を増やす中で、今年は成長性に優れている「秋田版エリートツリー」、積雪の重みによる根元曲がりが小さい「雪害抵抗性スギ」の新たな品種の生産に着手しました。これまで生産してきた普通スギ、少花粉スギといった品種と合わせて、再造林をさらに推し進めるため育苗事業の拡大を図っています。



この日研修の一環として新入社員たちが育苗ハウスを訪れ播種作業を行いました。エーピーフォーレの先輩社員による作業のお手本を見た後に多孔容器(マルチ・キャビティー・コンテナ)に向かい、ピンセットを使って丁寧に1つのポットあたり3粒の種を蒔いた後で通気性・保水性が高い鹿沼土を覆土します。
自分たちが取り扱う合板の原材料となる木を育てるベースとなる播種作業を実際に体験した新入社員。育苗など木に関する様々な作業を通して企業理念と事業内容をどんどん自分の中に落とし込んで、当社社員としての行動に活かして欲しいと願っています。







秋田県は「カーボンニュートラルに挑戦する再造林拡大事業」を進めています。森林の若返りを図り二酸化炭素を吸収する働きを向上させることでカーボンニュートラルに資するとともに、再造林を推進しながら資源の循環利用を確立することで、林業・木材産業の成長産業化も進めています。
エーピーフォーレには森林所有者への再造林などを働きかける技術者「あきた造林マイスター」が在籍している上、今後も育苗事業、素材確保体制をさらに強化、発展させて秋田県が目指す再造林率の引き上げを後押ししていきます。



秋田県内のスギ人工林のおよそ50%が50年生を超えて本格的な利用期を迎える中で、伐採と再造林をセットで行うことが欠かせません。再造林には造林の低コスト化、苗木の安定供給など課題はありますが、今年から生産を開始したエリートツリーなどを活用し低コスト造林を実現しつつ、生産性や安全性を高めながら事業を展開していきます。
当社は森林環境事業のさらなる拡大によって再造林を推進し、森林資源を持続的に利用しながら、林業・木材産業の成長、地球環境の保護に貢献を果たして参ります。
