大切な木材資源をムダなくじょうずに使っています
秋田プライウッドでは、「自然の森林資源(しんりんしげん)」である木材を大切に使うために、合板の材料となる丸太からはぎとる「木の皮(バーク)」や製品の形を整える時などにできる「切れはし」、家をこわした時などに出る「廃木材(はいもくざい)」を捨てずに、工場の中にある発電所に集めて燃やし、その蒸気と電力を工場内で使っています。こうした木材を材料にして発電する仕組みのことを「木質(もくしつ)バイオマス発電」といいます。



また、丸太をうすい単板に加工するときに中心部分に残る「むき芯(しん)」は、細かくくだいてから板のように加工する木質ボードをつくるための原料として使用したり、紙を作るための原料としてそれぞれの工場に送ったり、あるいは短くカットしてガーデニングに使ったりしています。

むき芯の利用






木質バイオマス発電のしくみ
秋田プライウッドの向浜工場にある発電所では、24時間体制で、バークや木の切れはし、廃木材(はいもくざい)などを燃やした発電が行われています。電力は、工場内の機械などを動かすために使われているほか、蒸気は合板を乾かすドライヤーや、合板をくっつけるホットプレスなどの機械にも利用されていて、工場内の電力の70%をまかなっています。



木質バイオマス発電のメリット
木質バイオマス発電に利用される木材は、石油などの限りがある「化石燃料」と違って、「植えて・育てて・収穫できる」持続可能なエネルギー源として注目されています。
また木質バイオマス発電においては、地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出量をトータルとして増加させることなく発電できると考えられています。木材を燃やすときには「CO2」が排出されますが、この「CO2」というのは、もともと大気中にあったものから木が生長する時に吸収されたものなのです。よって、木材を燃やしても全体としてみれば大気中の「CO2」を増やしていることにはならないのです。これを「カーボン・ニュートラル(※)」といい、化石燃料を使用した場合に比べて、環境の面で大きなアドバンテージとなっているのです。

「カーボン」とは炭素、「ニュートラル」とは中立、という意味。光合成によって木が大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素(O2)を吐き出すことで、炭素(C)が木の中に固定されます。その後その木が燃やされる時には、木の中に固定されていた「C」が大気中の「O2」と一緒になり「CO2」となって排出されるため、『光合成により吸収されるCO2』と『燃やして排出されるCO2』は同じ量であると考えられます。