
当社は持続可能な森林経営を目指し、原木の素材生産や計画的な植林・間伐を実施、国産材合板の製造まで一貫して行っております。4月に入り今年も向浜工場の育苗ハウスでコンテナ苗の播種(種まき)作業に新入社員たちも加わり行われました。

コンテナ苗の生産は2019年から育苗事業としてスタートし今年で5年目を迎えました。以降、年々増産体制を整えながら2021年は14万本、2022年は18万本と着実に生産量を伸ばしています。
コンテナ苗は1年半をかけて背丈が35センチになったところで出荷適齢となりますが、丸太を単板に加工したときに残った「むき芯」を元気な苗を育てる上で活用しています。「むき芯」をコンテナの下に敷いて底上げすることで「すのこ」代わりとして、水はけや通気性が良くなり根腐れなども無くなり健康な苗が育ちます。

「むき芯」を活用

「むき芯」を活用


苗の土は育苗培土に水を充分に混ぜ合わせて樹脂製の多孔容器(マルチ・キャビティー・コンテナ)の40個ある孔にまんべんなく、均等に敷き詰めていきます。コンテナに土を充填した後は播種(種まき)が行われるハウスへとコンテナを移動します。




普通スギと少花粉スギの種まきが行われており5粒の種をまいていきます。ピンセットを使い一粒ずつ土にまいた後、水分を含んだ黄色の鹿沼土を覆いかぶせます(覆土)。鹿沼土は通気性や排水性を持続しやすいという特徴があります。
コンテナ苗は細長い形状のため効率的な植付け作業を行うことができ、苗も根付きやすく、植栽時に乾燥等にさらされにくく根が傷まないなどがメリットです。また、温度や水分の管理が可能なハウスで生産することから、天候の影響を受けにくく、裸苗に比べて育成期間を短縮できます。
再造林を促進するにあたって欠かせないコンテナ苗の安定的生産と増産を今後も進めていきます。




森林県である秋田県は「カーボンニュートラルに挑戦する再造林拡大事業」として森林の若返りを図り二酸化炭素を吸収する働きを向上させることでカーボンニュートラルに貢献し、木材利用と再造林による資源の循環利用を確立することで林業・木材産業の成長産業化を進めています。
2025年度までに再造林率50%への引き上げを目指す中で、当社は中長期的に素材確保の体制を整え、森林整備を適切に行いながら事業を安定的に展開するという重要な役割を担っています。
今後森林事業をさらに拡大させて、森林資源を持続的に利用しながら、林業・木材産業を成長させ、地球環境の保護、地域への貢献を果たしてまいります。

