秋田県は2023年5月、林業関係の仕事に携わる女性の意見や視点をもとに職場環境を改善し林業従事者の確保につなげるため、秋田県林業女性会議を設置しました。複数回にわたる会議を重ね林業女性会議は2023年10月4日、多様な働き方を選択できる職場環境の整備や業界全体のイメージアップを図ることなどを求める提案書を林業関係の5団体(秋田県森林組合連合会・秋田県木材産業協同組合連合会・秋田県素材生産流通協同組合・秋田県山林種苗協同組合・森林労連秋田県協議会)から構成される秋田県再造林推進協議会(佐藤重芳会長)に提出しました。
会議の委員は林業関連に従事する女性6名から構成され、当社森林事業部の田口聖香と後藤美森の2名が委員として名を連ねています。


提案では、山林での体験を取り入れたイベント開催や児童や生徒とその保護者を対象にした学習会などによるPR活動が不可欠とし、林業従事者の定着を図るために従事者一人ひとりを大事にして、出産や子育て、介護といったライフステージに合わせた多様な働き方ができる職場環境の整備が最も重要だとしています。また、事業主の職場環境の改善に向けた取り組みを見えるようにするため団体独自の表彰制度を創設することを求めています。
提案を受けて協議会を構成する関係団体の代表の方々から「自分の仕事が自信につながるような業界にしていきたい」、「男女の性別にかかわらず、みんなで秋田の森林を良くしていきたい」、「これからの林業は女性なくして発展できない」といった前向きな意見が出されました。
会議のメンバーを代表して提案書を提出した齊藤代表(黒沢林業・横手市)は「提案だけで終わるのでなく、林業の労働環境がどのように変化していくか見ていきたい」と述べました。佐藤会長は「これからの秋田の林業が魅力ある職業となるよう、業界一丸となって取り組んでいくことに努める」と応えました。



人材の確保、定着にあたっては作業の効率化や省力化、安全性の向上を図る必要があります。林野庁では、再造林の省力化と低コスト化に向けて伐採と並行または連続して地拵えや下刈りの省略などを推進しています。
当社はコンテナ苗の生産や高性能林業機械による原木の素材生産、計画的な植林・間伐等の実施から国産材合板の製造までを一貫させることで、持続可能な森林経営を実践し、伐採や造林の省力化を推進しています。
人材の定着を図るためドローンなどICTを活用しながら、社員が多様な働き方が実現できるよう今後も職場環境を整備していきます。





秋田県は「カーボンニュートラルに挑戦する再造林拡大事業」に取り組んでおり、森林の若返りを図り二酸化炭素を吸収する働きを向上させることでカーボンニュートラルに貢献し、木材利用と再造林による資源の循環利用を確立することで林業・木材産業の成長産業化を進めています。
当社は全社員が働きやすい職場環境を整えて『植える、育てる、収穫する、上手に使う。そしてまた植える』という永遠の緑の循環を守り、林業・木材産業が将来性を感じられるようイメージアップを図るとともに地球環境の保護、地域への貢献を果たしてまいります。

秋田魁新報に掲載されました。
秋田魁新報 2023年10月5日(木)掲載